※写真はイメージです※
臨床工学技士が不在の病院へスポットの医療機器点検へ行ってきました。
現在国内に病院と呼ばれる施設(病床数20床以下のクリニックは入っていません)が約7000施設ありますが、臨床工学技士が一人でもいる施設は約3000施設と半分ほどしかありません。残りの約半分の施設は臨床工学技士が不在です。
臨床工学技士が不在の施設で医療機器管理はどのように行われているのでしょうか?
ひとつ考えられるのは多職種の方が行っておられること。看護師の方や薬剤師、放射線技師さんが行っているといるそうです。しかしながら、専門課程や教育機関のカリキュラムを見ても、医用工学や機械工学、電子工学などを学んでいる職種ではありません。(放射線技師さんは数教科入っていたような・・・)
ふたつ目に考えられることとして、メーカーと保守契約を結んでいる場合です。この場合年間保守契約となっており、年1回必ず点検はできますが、高額な保守契約プランになっているケースも散見されます。それに加え、メーカー依存となるため日常的な清掃や問題発生時の対応時にすぐに来てもらえず対応できないこともあります。
臨床工学技士は医療と工学の専門家として教育課程で「工学分野」を多く学んでいる職種であり、点検等においても定量的な評価ができる人材です。
施設によっては点検記録が「〇つけ表」になっているところもあり、「異常なし」に延々と〇がついている状態を見てきました。こういった場合、装置の精度評価や電気的安全性試験など本当に実施できているかとても疑問ですし、安全な医療とは程遠いと感じられます。
今後臨床工学技士の雇用がない病院でも医療安全や医療機器管理に対する危機感を持つことで臨床工学技士の雇用促進にもつながっていくと思います。